はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

お題に挑戦

海を愛した男の、奇跡を見た。

今週のお題「お父さん」 穏やかな入江に椅子を2つ並べて、魚が餌に喰いつくのを待っていた。 隣の父が、餌を付け直そうとでも思ったのか、ゆっくりと糸を巻き始めた。 しかし、首を傾げながら、「重いな・・・」と呟いた。 そのまま、ゆっくりと糸を巻き続…

腰パンとママチャリと私。

今週のお題「自慢の一着」 高校時代、男子はルーズなズボンにスケボー用の靴を履いて ママチャリに乗るのが、最高にイケていた。女子は、今思えばとんでもなく短いスカートにルーズソックスを履いて、どっかのブランドの香水を匂わせていた。みんな、誰かが…

哀しみの詰まった花束を配達し続けたんだ

花屋にはいつも様々な気持ちを抱えたお客さんが足を運ぶ。人の心模様はよく【喜怒哀楽】の4つに例えられるが、その中でも【怒】を抜いて、【喜哀楽】のうち、どれかを持っている。 私の仕事と言えば、そんな気持ちを花に託して、形あるものとしてお客さんに…

余計な一言がほろ苦い。不器用な男の試練の日。

今週のお題「ホワイトデー」 ホワイトデーで1番困る事。それは、チョコ選びじゃなくて、一言添える事です。 チョコ選びも大変だけど、近年はインターネットを使えば、頂いたチョコの相場がわかっちゃうもんね。それに見合った物となれば、ある程度絞れます。…

変態的な勉強のすすめ

勉強が苦手な人へ。大丈夫。毎日、知らないうちに勉強はしています。 例えばTVやインターネットでニュースを見たり芸能人を見たり、有名人を見たり。どっか旅行の計画を立てたり。そうやって頭に刷り込まれて行くもの。知識。それも勉強です。立派な努力です…

野菜を作る町

私の理想の町は野菜を作る町です。 『野菜を作る町?はぁ??作りゃいいじゃん。』って思うかもしれませんが、私は農家さんになりたいわけではありません。 野菜を作る町の住人になりたいんです。そんな町が有ったらいいな。そう思うんです。私が思う【野菜…

芸術を完全に舐めていた小学生と、芸術に悩む大人

今週のお題「秋の空気」 秋の気配を感じると決まって思い出すことが有ります。良い事であり、あまり良くない事でもある。 出来事というか、もはやハプニングかもしれません。それは小学校の写生大会で特選を取った事です。 親を始め、先生や周りの生徒にも「…

親父に花束を渡すと、照れる。

今週のお題「おとうさん」 私はフローリストで、花を扱う仕事をしています。普段お客さんからのリクエストを形にして、喜んで頂くのが私の生業なわけです。 しかし、時としてお客さんの注文ではなく、私からのプレゼントとしての花を作ることも有ります。 友…

彼女がくれたもの。ビター&スイート

今週のお題「わたしとバレンタインデー」 『下駄箱、OK。引き出し、OK。後ろから誰か来ているか?OK、誰も来ていない。』 OK,いつも通りの日常だ。 いや、待て待て。まだわからんぞ。 自宅にて、母から頂いたチョコを食べながら、電話の前で待機だ…

あの子はピザが好き。

「今日の朝ごはんは、ピザよー♪」 当時、私の住む地域には【ピザ屋さん】というお店が無く、もっぱら口にしていたのは母親がパン屋さんで買ってくる【ピザパン】と、そして、トーストの上に ピーマンとスライスしたウインナーを乗っけて、チーズを散りばめて…

母の寝息と秋の夜

今週のお題「読書の秋」 本を読む事、それは人の話を聞くという事。 作られた物語にしても、誰かが自分の考えを書き綴ったエッセイの様なものにしても、誰かが読者に向けて語り掛ける。それを声では無く、文字で私達は聞かされる。一冊の本の中には、そんな…

リラックスから始まるメロディー

今週のお題「リラックス」 あれは私が初めて音楽発表会で指揮棒を握った日。遠く幼い、まだ中学生の頃の話です。私には音楽の才能どころか まともな経験もなく、ただクラスの学級委員長として皆が嫌がるのを鎮めるために立候補という形で、とある曲の指揮を…