はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

花束の作り方の秘密。こんな風に作ってるんです。

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花束って、なんとなく普通に花を束ねて作っているように思うかもしれませんが、実際はちょっとしたコツがあるんですよね。ただ束ねれば良いというわけでは無いんです。

 

コツ、というか方法というか。ルールみたいな事かもしれません。今回はそれを紹介しようと思います。

 

知ってどうなる?って思うかもしれませんが、花瓶に花を飾る時やお墓に花を立てる時なんかにも役に立つので、良かったら参考にしてみてください♪

 

花束の作り方

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花束作りのコツと言われたら、なんとなく想像出来るのは花の組み合わせや配置の事だと思います。

 

もちろん、花の組み合わせでどんな花束になるのか決まるのは事実です。しかし、花を選んだその後の【花の組み方】が大事なんです。

 

今回は配置とかデザインは置いておいて、その組み方を重点的に書いてみます。

 

ちょっと面倒くさく感じるかもしれませんが、一度分かればそう難しい事ではありませんので気楽に読んでみてください♪

花束づくりのポイントは、スパイラルに束ねる

方法というかコツというか、花束を作る時に大事なポイントは、花を【スパイラル】に束ねて行くことです。

 

スパイラルという単語は色々解釈がありますが、日本語で【螺旋状】という意味のスパイラルです。 

 

茎を螺旋状に束ねていく。言葉では分かりにくいですね。

 


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上の画像は、全ての茎が右回りに束ねられています。これがスパイラルです。

初めに一本持って、そこから同じ方向に茎を束ねていきます。

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よく例えられるのは【パスタの茹で方】ですが、正直ピンと来ない方は、【扇子の骨組み】をイメージするとわかりやすいです。

 

一定方向ですよね。そして、持ち手よりも下は広がっている。もちろん扇子の様に【平面では無い】のですが、基本的にはあの感じです。

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↑これに例えばグリーンのカーネーションを入れようと思ったら


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こんな感じです。薄い緑ですみません。ただ、これだと永遠に巨大な扇子をつくる事になるので、手前にも入れます。そんな時も茎は同じ回転方向へ

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1番最後に入れた手前のカーネーションの茎が、持ち手より下で1番右側に向かって伸びています。

 

後ろ側へ入れる時も同様で、まあ難しければそのままクルッと全体を持ったまま回していけば同じ事です。

 

これが基本のスパイラルという束ね方になります。

 

丸くしたい時は最初の一本から円状にちょっとずつ広げていく様な感じです。

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お墓の花や、いわゆるセロファンでラッピングしてある花束は、まずは背の高い花を後ろに持ってきて、そこから扇状に広げて、次の段、手前にも扇を作る様に重ねていきます。

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こうやってみると、一点から放射状に花が広がっているのがわかると思います。

 

なぜスパイラルにするの?

なんでこんな、ややこしく束ねているのか。それにはちゃんと理由があります。  

 

①花を広く展開する為

これは、普通に真っ直ぐの花をそのままで、どんなに束ねても広がってくれません。

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↑わかり易く、一本だけ斜めにしてみました。そうすると、花と花の間に空間が生まれます。作品が大きく出来ますね。もちろん、密集させる事も出来ますが。

 

花を配置する領域が、広がる感じですね。

 

ただし、その分持ち手より下の茎も大きく広がりますので、ある程度の限界はあります。

 

②折れにくくなる

これは、やってみないとわからないかもしれませんが、適当に束ねて複雑に絡まった茎は、後から調製しようとした時に花が束から抜けない。無理に動かすと折れたり、茎が傷ついたりします。

 

また、硬い茎と柔らかい茎を一緒に束ねる時に、スパイラルだと茎が茎を挟み込んで潰してしまい折れる事を防げます。

 

茎が全て真っ直ぐであればもちろん折れません。それを螺旋状にしていく感じです。パスタの束をそのまま放射状に広げる感じ。

 

また、細い花瓶に入れる時に広がった茎を花瓶の口に合わせてキュッと絞らなければいけない時も、スパイラルだと扇子の様に綺麗に素直に、まとまってくれます。

 

スパイラルになってないと、広がりが抑えられなかったりします。

 

③固定しやすい

綺麗に螺旋状になっていると、持ち手の中(握っている場所)で、茎と茎の間に空間が生まれません。ここに空間があると、ちょっとした事で動いてしまったり、紐で束ねた時に茎がズレたりします。

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これを防いでくれます。花にとっても優しい束ね方という事ですね。

 

④向きを変えれる

これは①に似ていますが、そもそも花は真っ直ぐな茎の事が多いです。それを束ねて作品を横に広げるという事は、花を斜めにして配置する事になります。

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花が様々な方向に向いているのがわかりますでしょうか?これはスパイラル、もしくはワイヤリングと言って、花にワイヤーを添えて折れない様に曲げる方法を使わない限りは難しいです。

 

普通に束ねたら全部上を向きますからね。大体はこんな感じです。

 

結局は、スパイラルの方が様々な形を作れる、安定して束ねる事ができるという事です。

スパイラルじゃないとダメ?

束ねる時に、必ずスパイラルじゃないとダメというわけでは無い事もあります。例えば全部真っ直ぐ上に伸びている作りだったり、そもそも花が数本しか無い時など。

 

また、増加やドライフラワーの様に茎をそこまで気にしなくても大丈夫なものなど。

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スパイラルはスパイラルで、ある程度の制限が生まれるのも事実です。

 

ただ、基本的には良い事が多いです。それに、個人的にはスパイラルが出来るなら、自由に束ねても大丈夫かなと。

 

基本と応用みたいな感じなので、機会があればぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。

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スパイラルのコツ

スパイラルで束ねた際に、花瓶に入れる時に持ち手より下の茎が広がっていて、それをキュッと絞らなければ花瓶に入らない時。

 

扇子と同様に持ち手より下の茎を絞ると、持ち手より上の花もキュッと密集する事があります。扇子を閉じる時を想像すれば分かると思います。

 

そうならない様にするには、束ねる時に葉っぱや小花など、何か【クッション】の様に、緩衝材となるものを一緒に束ねると回避できます。


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上の赤いバラはアセビという木の枝を。右のミニ花束は銀色の【ダスティミラー】という葉っぱを一緒に束ねています。

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もちろん、かすみ草とかでも可能です。もし花束を頂いた時には、そこら辺も考えて見てみると、なかなか面白いと思います。

 

私は、ついつい見ちゃいます(笑)

 

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おわりに

花束作りは奥が深くて、一見すると花を選んで束ねられたもの、という部分しかわからないと思いますが、実際はこういう風になっていて、その為に練習したりします。

 

慣れるとそっちの方が楽だったりします。他にも花の向きを調節したり、凹凸を付けたり。色々と手が込んでいたりするんですよね。

 

花の部分だけではなく、美しく束ねられた茎を見るというのも、1つの楽しみ方かもしれません。

 

いや、マニアック過ぎるかもしれませんね・・・。

 

読んで頂きありがとうございました♪