はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

花束をもらったらやるべきこと。長持ちの為の賢い飾り方。

どうも!フローリストの いろはです!

みなさんは花束を頂いたことが有りますでしょうか。私は2回くらいしか無いです。あれって不思議なもので、頂いた事ある人は何回も頂いていたりするんですよね。

 

なぜでしょう(笑)

 

普段なかなか頂かない方は、花束を頂いても どうしていいかわからなくて、きっと焦りますよね。

 

花瓶がいるのかな?

そのまま包装を取って花瓶の中に入れちゃって良いのかな?

置き場所は?日当たりや温度は?どのくらいで捨てちゃうの?などなど・・・。

 

今回はもしもに備えて!!【私、花束をもらっちゃった】そんな時に困らなくてもいいように、花束の簡単な説明と、その賢い飾り方について書いていこうと思います。普段から花を飾ってる人にとっては当たり前の事かもしれませんが、

 

本当にそうでしょうか?ぜひ、読んでみてください。

花束をもらったら、するべきこと。

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花束の仕組み

花束っていうのはそもそもどうやって作られているか。きっと多くの人は花が包んであるんでしょう?って思いますよね。

 

確かにそうなんですが、花束は、足元にティッシュまたは綿、ゼリーなどを用いて、花が水を切らさない様に処理してあります。ラッピングをほどいていけばわかると思いますが、その上からビニールが被せてあって、更にその上にはビニールが破れない様にアルミホイルで保護してあります。

 


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それらをほどいて花瓶に入れるんですよ。案外、手間が掛かっていますよね。

 

ただし、そのまま入れるだけでは良くないんです。ちょっとだけ手を加えてやる必要があるんですね。そこのところの手順とを、注意点と一緒に紹介したいと思います。

 

花束の飾り方

①切り戻し

まずは花の茎をはさみで切ります。これは、花の茎の新しい面(切り口を新鮮にする)を出すことにより、花がお水を吸いやすくなるようにする為です。なので、数センチで構いません。1センチでもOKです。

 

ついでに花瓶の長さに合わせると良いでしょう。

注意点を3つ

①花束は茎の長さがバラバラの花を束ねて作りますので、茎の一番下の長さが不揃いな事も多いです

束ねてある茎をよく見て、切り忘れが無いようにしましょう。もちろん、一番短い茎に合わせて切ってしまっても構いません。

 

②なるべく早く作業しましょう。

花は茎からの水の吸収が出来なくなると、どんどん弱っていきます。特に夏は早い方が良いでしょう。

 

③ラッピングも早めに取りましょう。

茎に巻いてあるティッシュや綿、ゼリーなどは、その日のうちに取りましょう。短期間の水の代わりという役目なので、長期保存は不可能です。理想は当日のうちに取りたいところです。花瓶に入れるのがその日のうちに難しい場合は、ほどいてから、一旦は深く水を張ったバケツに入れておきましょう。

 

②花瓶に入れる

切り戻したら、花瓶に入れましょう。当然ですが、倒れない様に長さを調整しましょう。花瓶の口が広いと、花は斜めに立ってしまうので、バランスを見ながら入れましょう。

 

注意点を3つ

①花が縛ってあるところは、ほどいても そのままでもOKです。

紐を切ると、恐らく元に戻すのは難しいです。

束ねてある花をばらして、好きなところに少しづつ飾るのも全然アリなので、手持ちの花瓶や生活空間に合わせましょう。

 

②水の量に気を付けましょう。

特に、束ねてあるままで飾る場合は、先程説明した通り茎の下の長さが不揃いです。全ての茎がきちんと水に浸かるようにしましょう。

花の茎が水から上がっていると、翌日には確実にダメになってます。

 

③きれいな水を使いましょう

水道水でOKですので、きれいな水を使いましょう。それと、お湯はNGです。夏場は特に、水道から暖かい水が出る事が有ります。

 

また、水を綺麗に保つため、毎日、難しいなら2~3日に一回は水替えをすることが長持ちの秘訣です。水は汚れますからね。茎の中の導管が詰まってしまい、水が吸えなくなります。

 

③置き場所

花瓶に入れたら置き場所ですね。これは、かなり花の持ちに影響します。しかし、だからと言って置きたい場所を避けるのはいかがなものか。プレゼントした人の気持ちも考えると、気に入った飾り方もしたいですよね・・・。

 

悩ましいですが、一応、理想の置き場を説明します。

 

注意点を3つ

①直射日光を避けて

大自然の中では日光は大好きな花達ですが、切り花となってからは、直射日光は天敵です。花びらが焼けて褪せたり、水の中の菌も増殖します。

 

カーテン越しなら、まあ何とか・・・。でも、部屋の中の暗い所ってのも、なんだかね。って感じですよね。

 

②涼しい所で

花は満開になって散ったら終わりですが、基本的に気温が高い方が早く花が咲きます。花屋では冷蔵庫に入れて咲かない様に大事に保管していたりしますね。

 

一部、寒さが苦手(10度以下はNG)な花も有りますが、基本は涼しい所で飾りましょう。

 

③直風は避けて

ドライヤーとか扇風機の風って、浴び続けると乾きますよね?花のほとんどは水分で出来ていて、葉っぱや茎に風を当て続けると、水分が飛んで行ってしまします。人間に似てますね。

 

困った時は水切りを

切り戻したのに花に元気が無い。そんな時は、洗面器か何かに水を張って、その中で茎を切りましょう。そのまま水中から茎を出さずに10秒くらい待つ、または浸けっぱなしで放置してみましょう。

その後、すぐに深めの水に浸けると、復活するかもしれません。

 

また、飾っていて元気がなくなってきた際も有効です。これを【水切り】とか【水中切り】と言ったりします。諸説ありますが、水中の浸透圧だったり、切り口の乾燥の速度だったり・・・とにかく効果が大きいのでやってみてください。

 

市場から仕入れた花は、結構この方法で水を吸わせます。というか、これをしないと吸わない花も多いです。代表的な水切りが有効な花は

  • ガーベラ
  • かすみ草
  • バラ
  • コスモス
  • トルコキキョウ 他多数

です。

逆に効果が無いのは

  • カーネーション
  • 百合
  • チューリップ
  • カラー 他多数

となります。まあ、迷ったら水切りが無難です。効果が無くても、やってはいけない事では無いですからね。

 

おわりに

大体こんな感じでしょうか。要は切り戻して涼しい所に飾りましょうという事ですね。中にはドライフラワーに出来る花も一緒に束ねてあるかもしれません。そういう花をドライフラワーにするには、ちょっと早めに花瓶から出して逆さに吊るしておくと良いです。

 

 以上が花束の上手な飾り方となります。参考になりましたでしょうか?何かの機会にお役に立てば幸いです。

 

読んで頂きありがとうございました♪