花を扱っていると、どうしても堅くて上手く切れない枝物に遭遇する事があります。
また、枝物に限らず、キングプロテアやバンクシアなどの一部の品種も茎が太くて堅く、切るのが困難な事があります。
1番手取り早いのはノコギリを使う事ですが、
なかなか家の中で直ぐに取り出せる位置に置いている人は・・・あまりいませんよね?
サバイバルな生活なら、あるかもですが。
今回はそんな時の為の、ハサミの上手な使い方の紹介です。
難しくは無いのですが、どうしてもある程度の力が要ります。手首を傷めたりしては大変なので、くれぐれも無理のない範囲でお願いします。
ハサミを上手く使って堅いものを切ろう!
まず大前提として、花用のハサミを使用する事として紹介します。
ハサミって、基本的には握力で物を切りますが、こんな感じの枝物とかだと
なかなか真っ直ぐにスパっとは切れません。刃が途中で止まってしまって、そこから先はなかなか力だけでは難しいです。
それに、最悪は私の様にハサミの指を引っ掛ける部分を破損させてしまう事もあります。それでは、具体的な使い方の紹介です。2つあります。
スナップを使って切る
まず紹介するのは、手首のスナップを使った切り方。切るのでは無く、ハサミの刃をグイグイと食い込ませる感じ。
刃を茎に食い込ませたままで、握力ではなく手首を動かす力で切ります。もちろん、ある程度の力で握ったまま行いますが、全力では無くて大丈夫です。指よりも手首に力を入れます。
簡単に言えば、ドアノブをひたすらガチャガチャする感じ。グリグリグリっと刃を進めて、行けそうになったら最後に握力で切ります。ノコギリの切り方に似てる感じでしょうか。
ポイントはなるべく刃の奥側を使う事です。(写真はわかりやすい様に手前を使っています。)その方が、握力も大きく伝わります。
これは、庭木の剪定とかにも使えますよ。普通のバネ付きの花鋏でも使えます。酷使すると腱鞘炎の恐れもあるので、程ほどに。
茎を斜めに切る
もう1つは、茎を斜めに切る方法です。
長さを短くする為には手首のスナップを使って切るしかありませんが、花瓶に活ける前の切り戻し。つまり、新しい切り口の面を出す方法です。
定期的に行う事で、切り口の水を吸う管の様なものが詰まる事を防ぎます。
斜めにだったら真っ直ぐ切れる、という訳ではないです。イメージは鉛筆の先を作る様な感じ。
こんな感じで、茎の中心に向けて刃を入れます。
1度に全部切らずに、半分ずつ切るイメージです。この位なら、あまり力を入れずに切れますからね。
結局、なんで枝を切るかっていうと、水に浸かる前に、新しい切り口を出してやって、そこから水を吸わせるのが目的なわけですから。
別に真っ直ぐスパッと切れてなくても良いんですよ。反対側も同じ様に切ります。
こうする事で、無事新しい切り口が作れます。
なかなか庭木の剪定の様にバッサリ切る時は使えませんが、切り花を扱う用途なら、とても有効な手段です。
繰り返しますが、新しい切り口の面を出す事が目的です。よく、切れなくて苦労している人を見て来ましたが、本来の目的を満たす事が大事ですので、これで良いです。
更に太い枝の切り方
それでも更に太い枝の場合。どの位っていうと、一円玉の円周位から上の太さでしょうか。
そんな時はノコギリがお勧めですが、切り戻しであれば、先程の斜めに切っていく方法で切る事も出来ます。
先程は半分ずつ斜めに切りましたが、今回は5回位、別の位置から茎の切り口の真ん中に向けて切りました。鉛筆みたいですね。
因みに、水揚げが悪い(水を切らしやすい)花や枝は、この後茎に対して縦に刃を入れたりします。一文字の時もあれば、十字に切る事も。
そうする事で、切り口の面が結果として増えるので、水揚げが良くなります。
おわりに
過去に花用のハサミの事も記事にしてあります。色々な種類があって、お勧めとか使い易さとかを書いてますので良かったら御覧ください。
ちなみに、ハサミを研げば切れるようになることも有りますが、セルフで研ぐのは相当な技術が要ります。そして、どんなに研いでもハサミの大きさや茎の固さで切れない事はよくあります。
ハサミの使い方は上手くコツを覚えれば結構な太さの茎まで切れますので、機会があればやってみてください♪
読んで頂きありがとうございます♪
フローリスト の いろはでした♪