花の中には名前は有名だけど、案外その姿を知られていない花がたくさんあります。そして その中でも代表的なのが、今回紹介する【スイートピー】だと思うんですよ。
店頭での接客の際に『これが、あのスイートピーですかぁ??』なーんて言われちゃう事は、花屋あるあるですね。
まあ私もこの業界に入るまでは【菊】がどれかわからなかった人間ですから、その気持ち、よーくわかりますよ。
という事で、今回は春の人気花のひとつ、スイートピーの紹介です。ポピュラーな花だけに、かなり掘下げて魅力を紹介しつつ、花屋目線の情報や、ちょっとしたお気に入りの品種なんかも紹介してみますので良かったら参考にしてみてください♪
スイートピーについて
まずはスイートピーの姿。花屋に切り花として入荷してくるのはこんな感じです。
どうですか。もしかして、バラやヒマワリのような花の形を想像していませんでしたか?ちょっと意外な感じと思った人も多いかと思います。
スイートピーはマメ科レンリンソウ属という所に分類されています。マメ科の植物は大体はこんな感じのヒラヒラしたような花が多いです。
春の花なのに12月頃から店頭に並び、寒い季節に暖かい春を感じさせてくれます。
お値段も手頃な事が多く、100円から150円位で買えたりします。非常に種類も多く、カラーバリエーションも豊富。
ただ、基本的にはピンク、白、紫系の色がほとんどで、青や緑、黄色なんかは着色してあることがほとんどです。
店頭で購入の際には一応確認した方が良いです。染料が付着すると落ちにくいですからね。
花の持ちは良いですよ。咲いて散るタイプでは無いですからね。暑いのが苦手なので、気温さえ気を付ければ長持ちします。
が、しかし。それゆえに古い花と新しい花の見分けが付けにくい。そんな時は上に向かって連なる花の一番下を見ます。
下から傷みますからね。手入れの際も、下の花が傷んだら手で取ってやりましょう。基本的には茎を切って花瓶に入れるだけの扱いやすい花ですよ。
スイートピーの名前の由来と香りの関係
先程、スイートピーはマメ科の植物だと書きました。このスイートピーの【ピー】と言う言葉が英語で【エンドウ豆】に当たります。そしてスイートはそのまま【甘い】。
つまり、甘いエンドウ豆。そうなんですよ、
スイートピーはとても甘くて優しい香りがするんですよね。
決して、花をモシャモシャ食べて甘いわけでは無いですよ。
そして、さらにその香りの良さを称えるエピソードがもう一つ。スイートピーは和名として【麝香連理草】という、とんでもなく難しい名前を持っています。【ジャコウレンリソウ】と読みます。
なんでこんな見たこともない、恐らく今後使う事もない難しい漢字の名前かと言うと。
この麝香というのがオスのジャコウジカの香嚢(こうのう)から取れる分泌物を指しています。そして、これが香料として使われたりするんですよね。
つまり、和名もその香りの良さから名前を付けられたという事です。そのくらい、良い香りなんですよね。この動物性の香料は【ムスク】と呼ばれています。
ヨーロッパではこの香りの良さから、寝室に飾る事も多いらしいです。なんか良い夢見れそうですね♪
スイートピーの花言葉が、泣ける。
スイートピーと言えば春の花の代名詞的存在です。そんなスイートピーは、これまた春にピッタリの花言葉を持っています。それが、【蝶のように飛躍する】です。花の形も、蝶々みたいでしょ?
ええ?どこが泣けるの?って思うかもしれませんが、この蝶のように飛躍するという言葉。春にこの言葉といば、そう。
卒業を連想しますよね。
スイートピーの花言葉には、他に【門出】【優しい思い出】【私を忘れないで】など、やはり【別れ】を連想する言葉が多いです。
と言っても、悲観的な意味ではなく、新しい人生の第一歩を祝福するような、これまで共に過ごした期間を振り返るような優しい意味合いです。
もちろん、花言葉に関わらず見た目や香りでどんな人に贈ってもOKな人気の花ですよ。
【蝶のように飛躍する】という言葉だけで誰かに贈っても良いですし、【門出】なんかはお見舞いにも良い言葉とされています。
蝶のように飛躍的に元気になって欲しいですからね!
スイートピーのお勧め品種
スイートピーは非常にたくさんの品種が有るので全ては紹介しきれません。
なので個人的なお勧めになりますが、最近【式部シリーズ】というのがお気に入りです。
こちらがまず、【式部】と言う品種。
そしてこちらが最近特にお気に入りの【恋式部】
いわゆる複色系で、一本の花なのに様々な色を見せてくれます。そのため一本でも奥行きがあり、また花の向きを変えるだけで違った表情を見せてくれます。
上の写真、紫の明暗が美しい式部は十二単をイメージして作られたそうで、どこか歴史のロマンを感じますね。
これらの品種は【みやざきブランド】として宮崎県の歴史や神話を元に作られているそうで、なんていうか、花を作るにあたってこう言った【明確なコンセプト】や【狙い】があって作られた花は、その背景や意味合いを知るだけでも大きな付加価値となりますよね。
何より、1本の花から努力が伺えます。プレゼントの際にも、ぜひそう言った豆知識も一緒に贈りたいですよね。
産地の歴史や神話が、その土地で花を咲かせる。他にも【舞姫】や、【紅式部】など、たくさんのロマンあふれる品種が有ります。
見た目や香りだけでなく、こういった作り手のこだわりを楽しむのも、いいですね♪
おわりに
スイートピーはどちらかと言うと脇役みたいな感じで使う事の多かった花です。ボリュームや色味の調整など、作品作りの際にはあまり主役にはしてこなかった花でもあります。
しかし最近では個性的な品種も多く、また昨今のナチュラルブームに乗ってとても人気のある花となっています。香りも良いですし、ぜひ御自宅に、プレゼントに。花屋でその香りと沢山の品種を見てやってください。
今回のどんな花か知っていますか?シリーズは他にもありますので良かったら読んでみてください♪
難しい漢字も多くて読みにくかったかもしれません。読んで頂き本当にありがとうございました♪