もしかして、フローリストになりたい?
意外な事に私のブログの中でかなり読んで頂いている記事が1つありまして。それが、
↑こんな感じの記事です♪
ちょっとビックリです。正直、あまり興味無いよな〜って思いながら書いたんですけどね。
どうやら、フローリストと言う職業の実態や、そもそも何者なのか、そしてどんな仕事で生きているのか。気になっているのでしょうか?
それならばと、今回は興味を持って頂いていると信じて、その仕事内容や仕事の時間などに触れつつ、その上でどんな人が、どんなメンタルの持ち主が向いているんだろうと。
主観ではありますが今まであった人の事を思い返したりしながら、もう少し掘下げてみたいと思います♪
フローリストの日常。その前に・・・
フローリストとは、花を扱う人であれば、それが仕事であれ趣味であれ、本来は一括りになっています。
ただ、そうしちゃうとキリが無いので、一応仕事として花を扱うフローリストの話とさせていただきます。
そして、花屋のスタッフと何かを専門にしているフローリストの場合で少し違います。
なので、今回は花屋バージョンとします。またの機会に、比較的多い結婚式を生業とするフローリストの日常を紹介しようと思います。
花屋の1週間
まず、花屋に勤務の場合。1週間通して朝は早いイメージですが、従業員さんが多いお店は仕入れの担当の人がいる事が多いので、みんなが市場の時間に合わせて動くことはまずないと思います。
市場に行くのは早くて朝の4時とか5時とか。仕入れの人は大変ですね。普通はお店の開店時間に合わせることが多いでしょう。
準備が有るので、大体は8時から9時くらいが私の周りには多いですね。
月曜日、水曜日、金曜日の花屋の仕事
花屋にとって月曜日、水曜日、金曜日は、切り花の仕入れがある大事な日です。
花の市場は切り花に関しては月・水・金と決まっていて、鉢は主に火曜がメインです。なので、仕事の始まりは市場から帰って来た花を水揚げして店頭に並べるところからスタートです。火曜は鉢の荷下ろしと水やりですね。
それだけで午前中が終わる所も多いです。接客しながらやったりします。
そして、運送の関係で午後からも花が入荷する事が有ります。また、県外の市場と取引があるお店は、トラック便で花が届くことも有ります。
ひたすらハサミで茎を切り。バケツに浸けて、そして並べる。
早くしないと花の鮮度が落ちるのですが、傷が付かない様に丁寧な仕事です。傷みが無いかなど、状態のチェックもします。
また、既に並んでいる花のメンテナンスやバケツの水替えなども行います。
そして昼からは、接客だったり配達だったり。ですが、ここで多分勘違いしている人が多いんですよね。
花束やフラワーアレンジメントを作るのが忙しい?
花屋は忙しいって聞くけど、ずっと花束やフラワーアレンジメントの製作に取り掛かって大忙しと思ってる人、いませんか?
実際は、1つの注文は一人で作ります。それが1日で、どの位有るのでしょうか。母の日等を除く平日で10件あったとしても、2人いれば1人が5件分。
そして、制作時間は価格によりますが、3000円くらいなら長くても30分くらいでしょうか。
加えて、予約注文が多いので、前日に翌日の注文分を作る事が多いです。もちろん、注文が無い日もあります。
合間に注文が入ったとしても、みんなで作らなくても間に合う事が多いと思います。繁忙期以外は、作り手はそんなに必要ない事が多いんです。
私も花屋に入社して一年くらいは花束とか作ってないんですよね。
配達をしたり、花のメンテナンスや水揚げをして。練習がてら店頭の作り置き用の花束やフラワーアレンジメントを作ったり。最初はそれがメインです。
作る事に関しては何よりも、御葬式の花の作り方を最初に習いました。これも製作ですが、形が決まっている事が多いんですよね。
出来るようになれば、店番をしたり、支店があればそこに花を持って行ったり。
お客さんの目の前で話しながら作る様な時も、もちろんありますけどね。でも予約の方が待ち時間も少ないですからね。
お店の規模やスタッフの数によって違いますが、大体こんな感じです。
イレギュラー(突発的な仕事が入る)
お葬式の花の取り扱いをやっていれば、その都度注文の度に作って納品、回収。これが1番イレギュラーです。
納品も時間制限があり、回収も決められた時間に伺いますからね。
そして、いつ起こるか読めない。もちろん、絶対ミスは許されない。お葬式の名札も花屋が作る事が多いです。なので、お葬式を扱うお店は急に忙しくなったりします。
1日に何件も入る事があります。
また、開店祝いなどの、花のまとまった注文があると忙しくなります。まあ、これは前もって分かるので、前日と当日の配達が大変ですね。
結婚式の花
結婚式の花を扱うお店は、木曜日くらいから週末に向けてその製作に入ります。作る量が多ければ残業になります。通常業務に上乗せする感じですからね。
これは、結婚式のテーブルの数に比例します。最初に見本を作って、それを見ながら作ります。ブーケや高砂の花は一点ものなので、その婚礼の担当者か誰かベテランが作ります。
火曜日と木曜日は休みの所も多いです。まあ、それなりに従業員さんがいれば、休みは比較的自由に取れる所もありますよ。
【花屋は残業が多い】は、本当かな?
花屋は残業が多いかどうか。はい、確かにそうです。特にお葬式の花を扱うお店は多いです。突発的ですからね。
あとは、母の日やお盆、お彼岸など。花の需要が高まる時はとても忙しいです。休みもロクに取れない事があります。
ゴールデンウィークは、ほぼ無い事が多いです。母の日の準備と被りますからね。結婚式も多いし。
まあ、お店の営業時間が10時から19時なら、閉店後に片づけたら100%残業ですよね。
交代制のシフトにすりゃあいいんですが、従業員数がね。足りてれば・・・。
残業の理由
忙しい時期も花の仕入れがあってからの製作になるのですが、なるべくなら鮮度が良い方が花も長持ちして店の評判が良くなるので、仕入れたばかりの花を使いたい。
その為、前もって用意出来る期間が短い。繁忙期の残業はこれですね、原因は。そして、その時の為だけにスタッフを補充するのが難しいです。一応専門職なので。
あとは、一年の中で、とても繁忙期と閑散期のブレ幅が大きいんですよね。忙しい時に合わせた人数で会社を経営しても、多分失敗します。
これもどうしようも無い要因ですね。しかし、恐らく、年中ずっと残業三昧という所は少ないのでは無いでしょうか?
繁忙期と閑散期があるのに、専門職。誰でも出来るわけじゃないっていうのがね。
あとは飲み屋が立ち並ぶ近くのお店は、誰かが夜に配達します。
こんな感じですね。まあ、忙しいと言えば忙しい。年間で見れば、そこまで忙しくはないかもしれません。残業も同じですね。
花屋の週末
土曜日と日曜日は結婚式の納品もあります。ただ、日曜日は案外暇な事も多いですよ。仕入れも無いし。結婚式も納品したら終わりですから。
店番の人は忙しい時もありますけど、スタッフがある程度居れば、意外と日曜日に休みが取れる事も多いです。
お盆や母の日で無ければ、店内がお客さんで溢れるようなことは少ないと思います。
土曜日は婚礼の件数次第です。通常業務に加えて納品と製作ですからね。
まあ、仕入れが無いので上手くやれば普通に終わる事もあります。が、終わらないと帰れません。当然ですが、結婚式の仕事って、納期が延長できませんからね。絶対に。
花屋の1週間のまとめ
花屋の1週間と言いつつ脱線しましたが、まとめると月、水、金で花の仕入れと水揚げをして、後は店番や配達、花束などの製作です。
お葬式があれば忙しくなって、結婚式の花をやっていれば、木曜日から土曜日までは製作です。
あとは、各お店ごとに取り引きや何か特殊な事(スクールの花や旅館や会社などの花活けなど)があれば、それが組み込まれています。
花屋に向いている人?
大体はこんな感じの日々ですが、どんな人が向いているのでしょうか?しかし、そういう考えは苦手です。根拠とかあまり無い。なので、もっと簡単に考えました。
私の周りで辞めてない人。続けている人。そして、辞めた人が口にして来た事。これの紹介です。
花屋を続ける人
花屋を続けている人は、花が好きな人ばかりではありません。よく、花が好きでないと務まらないと言うのを耳にしますが、別に好きで無くても構いません。
いや、もちろん好きな方がベターではあります。
しかし、例えば美容師さんは髪の毛が好きなんでしょうか?マッサージをする人はローションが好きでしょうか?農家さんは野菜が好きで、続けるのでしょうか。
もちろん、好きな方がベターです。
しかし、大事なのはそれを販売するのが仕事と自覚する事です。それを通して、人を幸せにする事。それが好き、もしくはやりがいを感じなければ続けるのは難しいです。
お客さんがいて成立する仕事ですからね。満足度を追求する仕事です。
「花に囲まれて幸せ〜」なら、お客さんとしてでも叶う夢ですよね。もちろんその方がベターですが。
花を使って作るのが好きだったり、それで誰かを幸せにするのが好きだったり。
最後は誰かの手に渡る物を作るので、その中のどこかに魅力を感じれば大丈夫です。
花の注文は多くが【プレゼント】です。花を使って誰かのプレゼントを作る仕事。
自分用であったとしても、その人は花を飾る事を楽しみにしています。自分へのプレゼントの様な感じです。日頃のメンテナンスや鮮度がその人の幸福度を左右します。
また、仕事の中で築いた人間関係や職場関係で続ける人もたくさんいます。
ただ。やはり繁忙期と閑散期のギャップに耐えれる人、時には残業も文句無しで出来る人。これは大事です。
花屋の仕組みや年間通しての繁忙期と閑散期を、ちゃんと思い描いて理解して仕事をしないと、嫌になるかもしれません。
あとは、自分で学んだ事を大事に出来る人。人から学ぶのが上手な人。
結局、誰でも最初は誰かに習わないといけません。頭の知識だけではどうにもならないですから。
まとめると、続けている人は人間関係を築くのが上手な人。何でも良いので魅力を感じれる人。仕事の時間が年間で変動しても大丈夫な人。人を喜ばせるのが好きな人。陰ながらですけどね。
それに加えて花が好きだったり、花を作る姿に憧れを持ったり、素晴らしい作品に影響を受けたり。であればベターな感じです。仕事がもう少し楽しくなります。
花屋を辞めた人
辞めてしまった人は、寒いのが苦手、イメージと違った、方向性の違い、人が関係の悪化など。残業や繁忙期のキツさも多い理由です。
どうでしょう。要するにこれだけ書いておいて、
結構ね、普通の仕事と同じです。
ただ、働き方の概念が古い所が多いかも。です。
あまり深くは触れませんが、どうにもならない事って無いですよね。それは、同じ事の繰り返しの果てに言う言葉では無いですよね。って感じですね。
つまりは、古いスタンスを貫くお店も多いです。伝統ではなく。良かった事が時代と共に悪い癖に変わるなんて事、どこにでもありますよね。いや、怒られそうですけどね。
花屋の給料が少ないのは事実
大事な事で、最後になりますが。
給料ですよ。お金。1番気になるでしょう。
まあ、自慢じゃないけど、少ない方です。私はその地域の人並みです。平均くらい。それで多分、同業の中では多い方です。
閑散期と繁忙期のある仕事で、鮮度が大事な仕事で、更に生活必需品ではなく娯楽の為ですからね。
売り上げが世の中の人のお財布に比例します。バブルの頃はとんでもなく忙しかったらしいですよ。
フローリストは何の為にある?
フローリストに興味がある人へ。少しだけ考えて欲しいです。
フローリストって何の為にある仕事なんでしょうか。
花の需要がある限り、その為にある仕事です。逆に言うと、この仕事が無いと【花が必要な人】の需要が満たせません。
では、その需要はどうして生まれるのでしょうか。それは、花が好きな人や、花を贈りたいって思う人がいるからです。
では、なんで好きなのでしょうか。なぜ贈りたいのでしょうか。それは、綺麗だったり可愛かったりするからです。素敵な感じがするからです。多くの人が貰って嬉しいからです。
そう思うと、案外理由はシンプルだったりします。
『花って、いいな。』『花が好き』
当たり前ですが、それが今の花の需要を支えています。それを伸ばす為には、より多くの人にそう思って貰える様にしないといけません。
それが花に関わる人間だったり仲間や家族を支えます。
花を飾る事をもっと気軽に。金銭的に見合った価値を。贈りやすく。誰にでも扱える様に。楽しめるように。特別な物としての価値も感じてもらえるように。
その為に花を扱うフローリストは存在します。平べったい言い方ですが、どこかで咲いた花が誰かの手元に届くまでに必要な存在です。
その過程の中に学んだことや感性を詰め込んで。誰かを喜ばせる仕事です。そこに、楽しさや誇りに思える事があったりしますので、
まあまあ楽しい仕事ですよ。
おわりに
まとまりの無い長文ですが、大体フローリスト ってそんな感じです。
お金より大事な物がある訳ではありませんが、お客さんはお金を大事な物に変えます。それを担う事は尊い事ですよね。
花は高いと思われがちですが、世の中でオーダーメイド出来るプレゼントの中では、かなり敷居が低いです。1000円の花束だって、注文出来ますからね。
なんて事を誇りに思いながらの日常です。夢があります・・よね?笑
読んで頂きありがとうございました♪