夏の御盆の暑さに強い花
ここ何年か、夏が信じられない暑さですよね。異常気象なのか、それともこの気温がこれからのスタンダードなのか。もはやわからないですよね。
そんな中、毎年やって来る御盆。ご先祖様のお墓にお参りして花を立てるわけですが、やはり暑さのせいで花の持ちが悪い。花の寿命は満開になって散る時ですが、こうも暑いとそれより先に、暑さでダウンしちゃいます。
御盆の花を店頭で販売しているとよく聞かれる事の1つに、『暑さに強い花って有りますか?』という質問が有ります。
暑さに強い花はあります。しかし、それは御供えの花として相応しいかどうか。これが何とも言えないんですよね。
バンクシアなどのいわゆる南国育ちの【ワイルドフラワー】なんかは水を抜いて飾っておけば相当長持ちします。ドライになった状態で流通したりしますからね。
しかしやはりお盆と言えば菊や女郎花(オミナエシ)、小菊にリンドウ、鶏頭など。この辺りが定番だったりします。これらは確かに強い。特に菊。強いのですが。
現状、これらの花は、花屋の中でも冷蔵庫にしまって保管したりするお店が多いです。やはり花に対して高温という状況は過酷なんですよね。
鶏頭なんかは特に、悲惨な傷み方をします。花は個性的で綺麗ですけどね。
なので、どうしても強い花が良いという事であれば、一番のお勧めはバンクシアなどのワイルドフラワーになります。
あとは、ピンクッションなんかも。派手ですが・・・。
そしてワイルドフラワーでは無いですが、スターチス。またはその仲間のブルーファンタジーやシネンシス といった花達も強いですね。このスターチスは御供えの花の定番としても長く愛されてきました。
あと、パンパスグラス。このユニークな名前の植物。めっちゃ強いです。ススキみたいな雰囲気で、菊などの和風な花によくあいます。これもお盆の定番です。近年はドライフラワーとしても大人気ですが。
なので、強い花の組み合わせとしてはパンパスとスターチスが入っていて、メインの花として菊とかが入っている感じが強いですね。
許されればバンクシアでしょうか。そうすると、全部ドライフラワーになる組み合わせですね。
個人的には菊の様に、咲いて散る花の生命力が見える花を入れた方が良いと思います。瞬間の美しさ、特別な時を演出しますからね。
お墓の花を長持ちさせたいなら、水を綺麗に!
お墓の花の場合、日差しや高温は避けられません。その中で唯一、私達が何とか出来るのは【水】です。花筒の中の水。
これを綺麗にする事。これが唯一出来る事。それ以外は諦めましょう。水を綺麗に保つと、片付けの時の手間も楽になります。水が腐ると、強烈な匂いになったりしますからね・・・。
とはいえ、頻繁に水替えできない事もありますよね。そんな時に覚えておいて欲しい事は、
水に浸かる部分の葉っぱは取り除く。これが大事。
買ってきた花を長さを合わせて切って、そのまま花筒に入れていませんか?花はとにかく葉っぱが水に浸かると、葉っぱが溶けたりして水を腐らせます。どんな花でも、です。
これだけで随分と花の持ちが変わります。というか、水の持ちですね。
葉っぱを取らないと、特に鶏頭なんか片付けの際には、かなりの修羅場を迎える事になります。
水が綺麗かどうかで、花の持ちも大きく変わります。
茎の切り口から水を吸いますので、水が汚れているとバクテリアが発生して茎の水を吸う管を詰まらせてしまいます。お墓以外にも咲かずに散ってしまう時は、これが原因の事も。
水に浸かる部分の葉っぱを取り除いていても、茎が傷んで腐ってきたりします。花筒の中は高温ですからね。循環しないし、水の量も少ない。
一番良いのはやはり水替えですが、なかなか大変な時は水を綺麗に保つ成分の入った延命剤や活力剤を使うのも良いです。
私はたまに耳にする、漂白剤の使用には大反対です。お墓は いつ、誰が花を入れ替えたり、水を替えたりするかわかりませんからね。手に掛かったりしたら大変です。小さなお子さんも来るかもしれません。
お水って、飛び散りますからね。
まとめると、葉っぱを取り除いて、あれば延命剤などを入れるのがベスト。出来れば水替えは可能な限り。ですね。
最後におことわり・・・
葉っぱを取り除いて水を綺麗にして、強い花を飾る。これが私達が出来る現状での最良の選択です。
ですが・・・。暑すぎるんですよね。30度を余裕で超えてくる日が続くと、やはり満開になる前に花が力尽きる事も避けられません。どんなに水を綺麗にしても、仕方ないです。
それでも御盆はやはり大事です。色んな方がお墓に参られるので、やはり綺麗にしておくべきだと思います。
パンパスの様に強いものを入れておいて、菊などを途中で換え花として入れ替えるのも良いかもしれませんね。
良かったら参考にしてみてください。
フローリストのいろはでした♪