はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

茎が曲がってる秋桜(コスモス)を上手に活けるコツ!

秋桜(コスモス)を上手に飾りたい!

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今回は秋の風物詩とも言うべきコスモスの上手な飾り方を紹介してみます。まあ、上手に飾るコツっていうほど難しい事では無いです。

 

普段は花屋で扱うコスモスの紹介から始めますが、コスモスは多分誰でも知っているんじゃないかな?って事で、いきなり本題に入ります。

 

 

コスモスは、なぜ難しい?

そもそも、コスモスって活けるのが難しいの?って話ですが、なかなか難しいんですよね。その理由は、

 

①茎が曲がっている

②茎に対して花が重い

③茎が細い

 

とまあ、とにかく細くてクネクネしてて、思う様な位置に留まらないんです。思い描く作品になってくれない。適当に花瓶に入れると、

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こんな感じになります。これはこれで野生的で良いのですが、なんていうか、適当な感じ。これをもう少しだけ、思う位置に配置出来る様にする方法の紹介です。

 

ポイントは本数

そもそもなぜ上手く留まらないか、それは花瓶の口の広さとコスモスの茎の太さの差が大きいからです。

 

どうしても傾きますから。スポンジや剣山を使えればよいですが、なかなか花瓶に合わせて買うのもね。

 

加えて、コスモスの特徴である茎の曲がりと花の重み、茎の細さによって、好き勝手に動いてしまいます。

 

そんな時は花瓶の口いっぱいに秋桜を入れてやると、安定します。動けなくしてやるわけです。なので、ある程度の本数を揃えて挑めば、案外上手く飾れます。

 

しかし、そんなにお金掛けてもね。ってなりますよね。私の様に仕事で使うならいいけど、家庭ではちょっとね。そんな時は。

 

葉っぱで花瓶の口を埋める【花留め】

秋桜を大量に買って飾るのは簡単ですが、なかなかの出費になりますからね。そんな時は、代わりにボリュームのある葉物を入れて、花瓶の口を埋めてしまいます。

 

例えばドラセナ。1本150円くらい。これは一本で葉っぱが沢山あるので、葉っぱの付け根に引っ掛ける事もできます。更に、

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これにユーカリとか混ぜて。グニユーカリです。1本200円くらいかな?
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これでかなり広かった花瓶の口が埋まります。もちろん、これらに限らずボリュームのある葉っぱや枝物であれば代用が効きます。

 

これにコスモスを入れてみると、

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良い感じに配置出来ます。秋桜、数えて無かったけど、10本くらいかな?それなりに本数が入ってますが。

 

この活け方は、活け花なんかでも使われたりします(もちろん、もっとハイレベルな使い方です。)口の広さを埋めて花を留める感じですね。

 

これは花留め(はなどめ)とかって呼ばれる技です。

 

この方法のポイントは、なるべく花瓶の口の辺りにボリュームを持ってくる事です。もちろん、花瓶の水に浸かってしまったりしない範囲で。

 

お勧めなのは、ドラセナ類やユーカリ、アスパラ、アセビ等の枝物です。

 

www.hana-memo.com

 

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コスモスは比較的短命な花ですが、葉物や枝物を丈夫で長生きするものにすれば、花だけを替えてまた楽しめます。

 

花瓶の口元が埋まれば良いので、何でも良かったりしますが、どうせなら持ちの良い葉物や枝物がお勧めです。

 

春になればポピーなんかでも使えます。花留めは、知っておいて損は無いはず。

 

そうそう、お墓の花とかでも使えますよ。ヒバの枝とか入れたりして、花を真っ直ぐに立てたりします。

 

一輪のコスモスを、小さい花瓶に活ける

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ここまで、割とボリューミーな活け方の紹介でしたが、秋桜とはいえ、1本が100円を超える事も多いです。ちょこっと飾る事は難しいのでしょうか?

 

いやいや、ちゃんと有ります、良い方法。それは、一本のコスモスを小分けに切ってボリュームを出す方法です。

 

ちょうどこんな感じの小瓶が有ったので使ってみます。

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まずは1本のコスモスを切り分けます。

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コスモスはこんな感じで咲いた花の下の段に蕾が付いている事が多いです。ていうか、写真がブレてますね。

 

これの、ちょうど蕾の僅かに上を切って、一輪の咲いたコスモスと、2つの蕾にします。それぞれ、茎を残す長さで切ります。

 

この辺は花瓶の長さによります。

今回は1番下の蕾の上を切りました。

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続いて、葉っぱが綺麗であれば、葉っぱの境目も切って使います。これもブレてますね。
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ちょうど葉っぱの、僅か上を切ります。すると、これで3つのパーツになりますね。

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どうですか?ようやくブレが止まりましたね。これで3本分の茎のボリュームになりますよね?あとはこれを活けて。

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完成です。恐らく、咲いた花だけを活けるのは結構厳しいと思います。花瓶から、ぺろーん と一輪垂れるだけでしょう。

 

もちろん個体差があるので、全てのコスモスで可能とは限りませんが、高確率で使えます。

 

今回は、咲いている花の曲がった茎を、蕾の茎の二股の所に引っ掛けました。

 

コスモスは葉っぱが弱いのであまり長持ちはしませんが、それでも可愛い葉っぱなので、是非使ってみてください。

 

八重のコスモス

今回使ったコスモスは、コスモスの中ではド定番のピコティという品種でしたが、最近は八重咲きも人気です。

 

こちら、ローズボンボン。

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さらに頭が重くなって、よく曲がります♪

 

しかし、とても可愛くてお勧めです♪ 他にもカラーバリエーションがあるので、ボンボンシリーズを見つけたら是非飾ってやってください。

 

(普通のピコティよりは、少しお高いです。)

おわりに

コスモスは、その曲がりを生かした活け方もあって、奥深い花です。そういうのを【ラインを生かす】っていうカッコいい言い方になります。曲線美ですね。

 

ただ、まあ身近な花ですし、手軽に季節感を感じれる花ですからね。あまり難しく考えず、秋を楽しむ感じで飾ってもらえたらなー。と、思います。

 

絵を描く人にも人気と聞いた事があるので、時にはそんな楽しみ方も良いかもしれません。あと、明るい花なので、写真が綺麗に撮れます。

 

ちょっとビビッドに加工してやると、良い感じに可愛くなりますし、色褪せた感じにすると、秋らしさが強く出ます。

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ぜひ、色んな楽しみ方をしてみてください。

読んで頂きありがとうございました♪