吾亦紅について
秋を表現するのに最適な花である吾亦紅。花の中でも秋色と言えば茶色とかの暖色を思い浮かべますが、まさにピッタリの花材です♪
タイトルにドライフラワーとありますが、生花としての魅力と共にお伝えしたいと思います♪
秋を代表する小花
吾亦紅はかすみ草やソリダコなどと同じで、いわゆる【小花】なわけですが、かすみ草なんかは秋色の中に取り入れると、ちょっと合わない事も多いんですよ。
なんでって、それはやっぱり秋って渋い感じの雰囲気ですからね。白いフレッシュな小花が合わせにくいです。
例えばこんな感じの鶏頭やセロシアがあったとして。
ちょっとビビッドな色ではありますが、ここに混ぜるなら、例えば定番のかすみ草を入れるより
やっぱり吾亦紅の方が秋色っぽくなるんですよね。
画像の吾亦紅の部分を脳内でカスミ草に変換してみると、全然雰囲気が変わりますよね。色が浮きます。
花の組み合わせは慣れてくると、画像を見ながら脳内で行うようになります。もっと慣れると、そこからデッサンを描き起こしたり、画像なんか無くても全部脳内で完結したり。
なんて偉そうな事言ってますが。そう、つまりは私が、かすみ草を合わせた画像を取り忘れたのです。
どうしようって思ったら鶏頭(画像の赤とグリーンの花)が脳ミソみたいで、脳内と言うワードを思い付きました。
そんな感じで、秋色っぽさを出すには最適な花材です。小花なので主張をし過ぎず、より風情を強く表現してくれる花という事で、秋っぽい花の中にあまり難しく考えずに入れてみると良いと思います。
ススキとか、黄色いピンポン菊なんかも良いですよ。特に和風の花との相性はバッチリです♪
吾亦紅の姿
吾亦紅は茎が堅く、直線的です。長さを出しても折れにくいので、作品自体を大きく見せる事にも使えますし、茎がしっかりしているので短く切っても大丈夫です。
その分、何かが当たってしまった時に折れやすいという事も言えます。あまり撓る(しなる)茎ではないので気を付けましょう。
小花の中には茎から枝わかれしていると、その部分から先が柔らかかったりする花も多いのですが、吾亦紅は全体的に硬いので使い勝手が良いです。
フラワーアレンジメントなんかでも初心者の人がスポンジに挿しやすい花材です。
吾亦紅の価格と出回り時期
吾亦紅は8月頃から10月頃まで出回っています。もう少し早い時もあります。
茶系の小花で秋色ではありますが、案外ヒマワリなんかとも相性が良く、夏頃から使われています。
価格は180円くらいから250円くらいでしょうか。長さや枝のボリューム、産地など価格は様々な要因で決まりますが、同じ小花のかすみ草よりは安い事が多いです。
ボリュームの割にリーズナブルな価格だと思います。
吾亦紅の管理
吾亦紅は花瓶に入れる前に【水切り】をして水を吸わせます。水揚げと呼ばれる作業ですね。
水を張った容器に茎を入れて、そのまま水中で茎をカットします。そして一呼吸置いて、なるべく早く花瓶に入れます。
もしくは、水の中で茎を切って、そのまま水の中にしばらく放っておいても良いです。
そうすれば、水から出しても多少の間は大丈夫です。最初にしっかりお水を吸わせるのがとても大事です。
置き場所なんかは普通の切り花と同じです。直射日光は避け、涼しい所に置くと長持ちします。
吾亦紅(ワレモコウ)の豆知識
吾亦紅って、変な名前ですよね。漢字3文字で、そのままでは読みにくい。
最初の【吾】は【ワレ】で、自分の事ですね。どっちかって言うと、【我】という漢字の方がしっくり来ますが。
2文字めの【亦】は【モ】です。これは【また】という意味で、【〇〇も、また】の様な使い方の【また】です。
つまり、分かりやすく書くなら、【吾亦】で【自分も、また】となり、最後の紅が付いて、【自分もまた、紅い】となります。
何が言いたいんでしょうね。
諸説ありますが、有力なのは【紅い花】として、見て欲しいという事。草とかじゃなくて、花としてみて欲しいと。
見た目があまり花っぽくないですからね。
もう一つは、【われも、こうありたい】 つまり、【吾亦紅なりたい。】何かの希望を感じますね。
何かを見て、自分もそうなりたいと思う感じですね。草っぽい吾亦紅が他の花を見て思う感じでしょうか。
吾亦紅の歴史は古く、源氏物語にも登場します。また、様々な詞や俳句にも多く用いられて来ました。
俳句にもピッタリな5文字で季節感を強く感じる花の由縁でしょう。そのくらい、秋を代表する小花といえますね。
吾亦紅の花言葉
吾亦紅の花言葉は、
変化、もの思い、明日への期待、移りゆく日々など、どこか季節の変化を感じる様な意味が多いです。
花の形や咲き方等、様々な要因がありますが、個人的には夏から冬への短い期間を象徴している様な気がしています。
秋は気温も気候もコロコロ変わりますからね。ぜひ吾亦紅を部屋に飾って、そんな秋の季節感を楽しんで欲しいと思います♪
吾亦紅のドライフラワー
今回は逆さに吊るして2週間くらい。とても気温が高くて、すぐにドライフラワーになりました。
なんか納豆を彷彿させますが、元からそんなにフレッシュでは無い印象の花なので、あまり生花と変わらないですね。
どちらかというとチョコレート。カサカサした可愛いチョコですね。レーズンにも似てます。
吾亦紅のドライフラワーは、まだそんなに沢山出回っていないのでこれから流行る予感がします。
色的にも、ワイルドフラワーと相性が良いですからね。
注意点は、花が少し崩れやすい所でしょう。全てのドライフラワーに言える事ですが、繊細なので大事に扱うと良いですね。
おわりに
今回は記事の中で冒頭から花の名前を色々と出しました。どれも素敵な花達なので、よかったらその花達を紹介した記事も御覧ください♪
吾亦紅の根は薬としても使われる事があるそうです。鑑賞以外にも、誰かの役に立っている大事な花ですね。
源氏物語を始め、本当に沢山の詩人にも愛されて来た花です。様々な角度から見つめて表現に使われて来ました。
現代の目線で、花言葉の通り【もの思い】に耽るのもまた1つの楽しみ方かと思います。
読んで頂きありがとうございます♪
フローリストの いろはでした♪