結婚式の仕事をしている中で、最近非常に多いのがドライフラワーの髪飾りを付けたいという新婦さんです。
その中でも、やはり予算を気にされて、自分で手作りしたいという方も増えてきました。
今は様々な所で販売されていて、気軽に触れる事の出来るドライフラワー。作り方も色々と紹介されています。
そんなに難しくは無いのですが、ちょっとした注意点もあるので、結婚式の花を扱う者としてその辺も交えて簡単に説明してみたいと思います♪
ドライフラワーの種類
まずは髪飾りにする花の種類から。
気軽に入手出来るドライフラワーには、主に専門の業者さんが作っている【プリザーブドフラワー】と呼ばれるもの、それと生花を逆さに吊るして作る【ナチュラルドライフラワー】の2つがあります。
プリザーブドフラワーは専用の薬品等を使い、ナチュラルドライフラワーは自然乾燥です。つまり、プリザーブドフラワーもドライフラワーの仲間で製法が違います。
プリザーブドフラワーの方が着色してあって色味がきれいなのと、ナチュラルドライフラワーよりも花が散りにくい事が多いです。形もきれいですね。
ですが、本当に乾燥した色褪せた感じは自然乾燥でないと出せなかったりします。それでも、最近はナチュラルに着色してあるプリザーブドフラワーも増えて来ました。
髪飾りに適した花は?
その中で何を選ぶか。もちろんデザイン、好みが1番ですが、それより何より気にする事は【花が散る可能性】です。作る側の立場なら、そこは気にしないとね。
なので、基本的には専門の業者さんが作ったプリザーブドフラワー、もしくは業者さんが作ってコーティングしてあるドライフラワーをお勧めします。
自分で作ったドライフラワーは、案外散る事があります。特に自作でよく散る事があるのが、
- 薔薇
- かすみ草
- 千日紅
- ミモザアカシア
- 瑠璃玉アザミ
- スモークツリー
- ブルーファンタジー
などです。これらは人気のドライフラワーです。もちろん散らない事もありますが、案外バラバラっと散る事があるんですよね。
ブルーファンタジーなんかは、一見散って無くても、細かい小花がパラパラと落ちます。特に、一手間加えて髪飾り用にするので、その時に散る事も。
しかし例外として散りにくい花もあります。
- スターチス
- シネンシス
- ユーカリ
- バーゼリア
- リューカの実
これらは割と散りにくいです。なので自然乾燥させた花を使いたいなら、この辺がお勧めで、後はやはり専門の業者さんが作ったドライフラワーがお勧めになります。
どうしても自然乾燥させた花が使いたい場合は硬化剤をスプレーすれば多少は良くなります。
作り方
それでは、今回は自然乾燥させたシネンシス(ハイブリッドスターチス)と、
それから、プリザーブドフラワーのかすみ草
これらを使って作ってみます。
必要なのはワイヤー#26、フローラテープ(茶色)ワイヤーを切るハサミの3つです。あと、保管用の密閉できるタッパーと、シリカゲル。
フローラテープは花屋で、その他はホームセンターに売ってます。
まずは花を細切れにします。大体茎が4〜5センチくらい。 ワイヤーは10センチ以上を数本。あまりに短くすると、後が大変ですよ。後で切れますから、まず最初は長めで1つ作り最後にカットしてみましょう。
それらを好みの大きさに束ねて


これにワイヤーをU字に曲げて添わせて、
二本伸びたワイヤーの片方を、花の茎ともう片方のワイヤーと一緒にクルクルっと巻きます。


しっかりと縛る様に。この時、茎があまりに短いと大変です。
そして、茶色のフローラテープで留めて完成です。


間違えて赤いかすみ草を撮ってました・・・。フローラテープの使い方は過去記事に載せてます。
慣れるまでは大変ですが、慣れて来るととりあえず束ねてワイヤーまで付けて、後でまとめてフローラテープで巻くと早いですよ。
そしてそれをタッパーに入れて完成です♪ここからは注意点をいくつか紹介します。
事前に美容師さんとチェック(完成期限)
まず、出来上がったドライフラワーを結婚式の当日にいきなり付けてください、というのはやめましょう。
なので、作る期限としては事前に髪型を決める時、もしくはその後話す機会があればその時までですね。
どうしても難しい時は参考画像と作ったパーツをメールとかで見てもらうと良いです。
結婚式の着付けやヘアチェンジの時間は限られています。出来るだけ事前に一度付けてもらう事をお勧めします。
大切なゲストを待たせるのはマズイですからね。
タッパーに入れる理由
これは過去記事で紹介してますが、ドライフラワーは湿度が高いと【カビ】が生えたり、ぺしゃっとしてしまいます。
特にプリザーブドの色が染めてあるものは、色が滲んで色移りする事も。日本において宿敵とも言うべき湿度の対策は、とても重要になります。一度生えたカビは取り除いても復活します。
ワイヤーの太さとテープの色について
ワイヤーは#26と書きましたが、正直#24でも#28でも出来ます。
しかし、#24は#26より少し太いです。なので、手が疲れます。そして、ピタっと巻く事が難しかったりします。
#28はその分細くなるので楽ですが、細すぎて大事なワイヤーで作った茎の部分が曲がる事があります。まあ、一本補強すれば良いのですが、それなら万能は#26かなと。そんな感じです。
(ガーベラなどの大きな花のプリザーブドフラワーは太いワイヤーを使います)
テープの色は髪に馴染む様に茶色にします。もしも銀髪の人は白が良いかも?てな感じですね。
通販で買うのはよく考えて。
通販でドライフラワーを買う事も出来ます。しかし、ちょっと変わった話になりますが、最近の通販。
非常に言いにくいのですが・・・。
加工が過ぎる。
そう思う事が多いです。私もブログの写真は加工しますが、やはり販売となると、なるべく【見たまま】を再現するのが良心だと思います。
ちょっと一例、私の写真を見てください。




どうでしょう。どれが真実に一番近い色でしょうか。ある1つの色を順に見て行くと。全然違いますよね。
こういった加工が流行るの良いのですが、やはり販売する為に、より良く見せる事に力を入れ過ぎて、本物を上回る見栄えを謳った商品を多く見かけます。
ドライフラワーは特に雰囲気や質感が大事です。可能ならば花屋で直に見て選ぶ方が失敗は少ないと思います。
もちろん、お店次第ですけどね。ただ、時々お客さんからそういった話を聞くことがあるのも事実です。私も含め、気を付けたい所です。
最後に
非常に【作り方の説明】が少なくなりました(笑)まあ、そんなに難しくは無いです。しかし、意外と注意点が多いんです。
基本的には髪の毛の上から茎の部分を差し込んで、ヘアピンで留めるという付け方をします。なので、茎の部分はすごく大事です。しっかりとテープで巻きましょう。
そういえば写真の加工の件ですが、4枚の中で一番見た目に近いのは1枚目の写真です。左上ですね。今回はわざと黒い物の上で撮りましたが、これまた背景を変えると色が違って見えたりね。
光の具合とか、色々ですよ。そんなこんなで花屋に行ってみては、いかがでしょうか。
読んで頂きありがとうございました。
フローリストのいろはでした♪