アスターについて
今回紹介するのは【アスター】またの名を【エゾギク】です。写真で見ると、とても可愛い小花という印象ですね。
どこか、都忘れなどの花にも雰囲気が似ています。一般的に花屋では【アスター】と呼ばれています。
このアスター、私も度々このブログで書いてますが、仏花(御供えの花)としての需要が高い為、あまり御祝いには使わないという風習がありました。不運な花です。
しかし、現代では気にする必要はありません。御年配の方へは、もしかしたら配慮が必要かもしれませんが。
アスターは、本来はギリシャ語で【星】を意味する、可愛くも美しくもある花です。咲き方や花の形から連想できますね。
赤や白、ピンクなどカラフルな品種も多いです。今、これからどんどん人気が出る花だと信じてますので、紹介してみたいと思います♪
アスターの出回り時期
アスターは品種にもよりますが、画像の様な【ステラシリーズ】という品種の花であれば、年明けの真冬以外は手に入る事が多いです。
ただし、基本的には6月くらいから、10月いっぱい位が手に入り易く、最盛期というか、最も需要が増えるのは8月の御盆の御墓参りの時期かと思います。
この後紹介する大輪系のエゾアスターは、7月から9月くらいに出回ります。
アスターは種類がたくさん!
今回は最もよく見るステラシリーズの中から【ステラトップブルー】という品種を画像で紹介しましたが、他にも沢山の品種があります。
大きく分けると【アレンジアスター】と【エゾアスター】に分かれていて、ステラシリーズは【アレンジアスター】です。
エゾアスターには、大輪のアスターが多く、様々な形のアスターが有って、楽しませてくれます。
丸い【マカロンシリーズ】や、大輪の【ボブシリーズ】、シャギーが魅力の大輪【マッシュシリーズ】など。
それぞれカラーバリエーションも豊富です。私は個人的には【マッシュラベンダー】という品種が好きで良く使います。
この画像の中のラベンダー色のシャギーが入った花です。
バラやカーネーションよりは若干小さいのですが、アスターは基本的には【スプレー咲き】と言って、一本の茎から枝分かれして花が沢山付いています。
小輪のステラシリーズは特に花付きが良く何輪も付いていますが、他の大輪系のアスターで有っても、5輪以上付いている事も多く、小分けで使うと、とてもお得な花でもあります。
アスターの花言葉
アスターの花言葉は【追憶】【信じる恋】【変化】など、一見すると様々な言葉が並んでいて、ちょっと謎ですよね。
【追憶】は、思い出にふける感じでしょうか。親しき友へ、また、長い付き合いの方へ良いかもしれません。
【信じる恋】は、花びらを取っていく【恋占い】から来ているとか。男性から女性へは、どうですか?若い人なら良さそうかも?
【変化】は、アスターの歴史を物語るそうです。中国、ヨーロッパ、アメリカと渡って行った事。また、沢山の色が作られる様になった事など。
決して心模様では無さそうですね。前向きに一歩踏み出す人へ贈っても良さそうです。
これらはアスター全体の花言葉で、色ごとにも花言葉がありますが、改良で新しい色も生まれるし、キリが無いので割愛します。
ただ、見た目の良さで選んでも問題無いですからね。可愛くて、きっと喜ばれる花だと思います。ギリシャ語で星ですからね。星をプレゼントですよ。いいですねー。
アスターの原産地と歴史
アスターの原産地は中国とされていて、日本には江戸時代にやって来たとされています。
中国のアスターの種は、フランスからドイツ、アメリカへと渡り様々な改良が行われて来たそうです。
日本へ来る頃にはかなり原種と違っていたのでしょうか。時は江戸時代。戦国の時代ですが、大衆文化が栄えていた時期でもあります。
花の栽培も盛んに行われていたらしいので、その遺伝子はしっかりと現代にも受け継がれていますね。
キク科の植物らしく、和風にも合います。活け花の花材としても結構用いられるので、長い間身近に愛されて来た花という事が伺えます。
また、アスターは園芸、ガーデニングでも人気の花です。
300年位前から日本で誰かが育てて楽しんでいた花を現代でも同じ様に育てて楽しむ事は感慨深いものがありますね。
割と育てる難易度は低いと思います。種も安く出回っているので、 4月頃にでも種蒔きして育ててみてはいかがでしょう。
アスターの水揚げと花持ち
アスターは水中に茎を浸けて切る【水切り】が必須です。ちょっと水を切らしやすいので、元気が無いなーと思ったら水切りで切り戻します。詳しくは過去記事にて。
お盆の頃に大量に出回りますが、正直なところ暑さには弱いです。雰囲気やお手頃な価格設定でよく使われますが、葉っぱが傷み易く、結構ドロドロになったりします。
なので、家に飾るなら6月や7月、9月以降がオススメなのが私の本音です。
大輪のエゾアスターは多少持ちが良いですが、やはり葉っぱは傷み易いのでマメに手入れして、水替えもして。
まあ、真夏の花はみんなそうなんですけどね。気になる方は切り花の延命剤の効果が結構大きいので使用する事をオススメします♪
アスターの唯一の弱点ですね。しかし、涼しいと花持ちは良くなります。
アスターのドライフラワー
今回はそんなアスターをドライフラワーにしてみました。2つの方法で、逆さに吊るすのと、シリカゲルで行いました。
品種はステラトップブルーです。まずは逆さに吊るす方から
まあ、何となくわかっていましたが、花が小さいので、それが更に小さくなりました。ちょっとまだ早いかもしれませんが。
本当はマッシュラベンダーでやりたかったのですが、今年はもう無さそうです。10月の初め頃が最後だったかな。
ただ、花も葉っぱもちゃんと残っていて、花の色も濃かったので、割と残っています。
もっと時間を掛ければ茎も堅いので色々使えそうです。
そしてもひとつ、シリカゲル。
割といい感じ!と思いましたが、案外花弁と額がポロっと取れたりします。慎重に扱う必要がありますね。
硬化剤を吹き付けたら以外としっかりして来ました。
まあ、何かに密封したり、花瓶の中に入れて安静にして楽しむ方が良さそうです。
それにしても、絵に描いたようなグラデーションが本当に、綺麗ですね。
作品作りには、ちょっと厳しいかもしれませんが、押し花の様に貼り付けていけば良いのではないだろうかと思います。
思いっきり傷が入りましたが、押し花にしてみました。ラミネートしたりして、栞にすると良さそうです。
おわりに
私の残念な思い出として、以前作ったフラワーアレンジメントにアスターを使ったところ、クレームを頂いた事がありました。
何で御祝いに仏花を使うの?という。
もう10年前位ですが・・・。
やはりイメージというのは、なかなか払拭されません。それは決して間違った考えでは無いのですが。誰かにとっては、相応しく無い花というレッテルが、何とも悲しかった。
私にとってのアスターの花言葉【追憶】は、まさにそんな感じです。いつか必ず陽の目を見せてやる、と誓ったんですよね。
現代のアスターは様々な品種があり、パッと見ではアスターと判らない様な花も沢山あります。
何でも園芸品種を含めると、500種類を超えているとか。
これからもどんどん増えて、人気のある花として、様々な場面で活躍する事を期待している次第です。
ぜひ花屋で見掛けたら手に取って見てください♪
読んで頂きありがとうございます♪
フローリストの いろはでした♪