フラワーシャワーについて
綺麗な花びらが飛び交う中、式を終えた新郎新婦がバージンロードを歩いて退場していくシーン。
とっても綺麗で、最高なワンシーンですよね。
ゲストが「おめでとう〜!」なんて声を掛けながら新郎新婦に向けてかける、その花びら。その花びらを【フラワーシャワー】と呼んでいます。
フラワーシャワーは、やはり私達フローリストが用意しています。多くはバラが多いのですが、カーネーションなんかも使ったりします。
なかなか一般的に、フラワーシャワーを日常の中で作る機会なんて殆どないとは思いますが、結婚式の打ち合わせをしていると、
「一枚ずつ千切って作るの大変ですか?」
「なんか、花がもったいない気もする」
「造花で良くない?」
とかってよく言われるので、簡単な作り方と、フラワーシャワーの意味や実態について、書いてみようと思います。
フラワーシャワーをする意味
そもそも、フラワーシャワーってなんの為に?って思う方も多いですよね。ただ綺麗だからという理由でも充分ですが、本来の由来は、
【これからの人生への祝福】
【この先の人生に待ち受ける災いや困難から2人を守る】
などの意味があります。
バージンロードというのは、入場時には、これまでの人生という意味があり、退場時にはこれからの人生という意味があります。
人生を道に例えて、その上を歩くわけです。だから、入場時は父親と一緒に歩き、その先に新郎が待っているんです。
これまでの人生を親と歩み、その先は新郎と2人で歩いて行くという事です。
厳密に言うと、歩数も決まっていて、新郎の元に辿り着くまで年齢の数だけ歩くというのが昔ながらのスタイルです。(最近は式場の作り的に難しい事も多いですが。)
その退場時にフラワーシャワーを使います。2人の門出への、祝福と御加護とでも言いましょうか。
一説によると、花の香りや花の力でで清める事により厄災をもたらす悪魔を払い除けるとも言われています。聖水みたいな感じ?です。
この意味を知っているかどうかで、フラワーシャワーの価値観が大きく変わります。
いや、粛々と厄祓いの為に、では無いですよ。ただ、「おめでとう〜!」って言葉の意味や祝福、2人を想う気持ちに重みが出るって事です。
見た目の華やかさだけでは無いんですよね。案外、知られて無い意味もあるって事です。
造花ってどうなの?
よく、100均やインターネットで買った造花を使いたいと言われます。まあ、造花でも綺麗なワンシーンは撮れますからね。
結論から言うと、自由なので式場が持ち込みオッケーなら問題無いと思います。
しかし、先程の様な本来の意味は薄れてしまいます。別に気にしない方も多いですが、そういう意味を理解していないのは、もったいない。
意味のある物として使うなら、やはり生花です。それでないと、式を挙げる意味もブレますからね。気持ちは大事です。気持ちのこもった花びらは、やはり生花になります。
フラワーシャワー用の花
フラワーシャワーの花って、もったいないですか?元気な花の、花びらを千切りますからね。
しかし、花屋からしたら全然そんなことは無いです。
フラワーシャワー用のバラが出回る事もあります。また、長さや形、本数の関係でミックスされて安くなったバラとかありますからね。
逆にフラワーシャワー用として仕入れないと、もしかしたらその花達は廃棄されるかもしれません。
どんな使い方であれ、仕入れた花が意味のある花として使われて行くのは、嬉しい事です。
フラワーシャワーの作り方
さあ、ここで、誰も得しないであろうフラワーシャワーの作り方の紹介です。主にバラを使います。
まずはバラを用意します。
バラは沢山の種類が有りますが、特に形とか咲き方で、向き不向きは無いので。なんでもよいです。
これを1枚ずつ根元から千切って行っても良いですが、途方もない時間がかかるので、ちょっとした裏技みたいな方法を御紹介。
バラの頭の根元付近を片方の手で優しく掴み、
茎の1番上(花の真下)をもう片方の手でしっかり持って
花を上に引き抜く様な感じで外すと、簡単に取れます。ただし、力任せにすると花弁が傷だらけになるので、左右に頭を振る様な感じで外します。
こんな感じですね。花をグルグル回しても良いです。とにかく、花を持つ方の手でなるべく花弁を潰さない様に優しく掴む事がポイントです。すると、
なかなか爽快な感じで外れます。品種によっては取れにくかったり、茎が折れてしまう事もあります。そんな時は1枚ずつ千切りましょう。
今回は数秒で取れました。ちなみに、なるべく咲いている方が簡単に取れます。敢えて咲かせてから作る事が多いです。
いかがですか?簡単そうですよね?ええ、簡単なんですよ。これを解けば
完成です。これでシャワーを撒く人の2〜3人分くらいかな?人数に合わせて用意しましょう。
フラワーシャワーの保管
基本的には冷蔵庫に入れておけば、1日くらいは持ちます。前日に作っても大丈夫。
ただし、使う直前に出すのがベストです。水も何も無いですからね。乾いちゃったら、さすがに結婚式では使えないですからね。
おわりに
実は意味のある事って多いですよね。時代の流れの中で、目立つ所だけ切り取られて残って行くものも多いです。
もちろん、1番大事なのは今なので、昔からの習慣に従う必要は無いですし、考え方も感じ方も変わります。今、良いと思う事をするのはとても大事。
だけど、知っておいて損にはならない事も沢山あります。形と、意味と。出来れば両方揃っていた方が、きっと心には残るのでは無いでしょうか。
最近フラワーシャワーの、造花のお持ち込みが多いので、こんな事を書いてみました(笑)
読んで頂きありがとうございます♪
フローリストの、いろはでした♪