はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

お葬式の花について知っておくべき事。

お葬式の花について 

お葬式の花が大変なのは、それが常に急な話である事。

 

なかなかその時になって、じっくりと調べるという訳には行きませんので、今回は葬式の花の注文の際によく聞かれる事を元に、知っておいた方が良い事を中心に話してみようと思います。

 

予備知識として、急な時に知っておいて良かったなって思えるような内容で、なるべく分かり易く書いてみようと思います。

 

実際に役に立つことが少ない事を願いつつ書いてみようと思います。

 

お葬式の花はどんな種類があるの?

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お葬式の花といえば、1番多く頭に浮かぶのは【スタンド花】と呼ばれる花です。鉄製の花台の上と下に花があって、真ん中に名札が付いたやつです。

 

お店の開店祝いとかでも見かけますよね。お値段は、大体は10000円から20000円くらい。15000円くらいから上下に花が付きます。10000円だと下の花は無い事も。

 

他にも【枕花】と言って、フラワーアレンジメントの様な花もあります。鉄製のスタンドとは違って、専用の器や木のカゴに花が入っています。

 

文字通り、枕元にも飾って頂ける様に、他のスタンドよりは小振りな事も多いです。

 

その他、スタンドの上に花、下には乾物や果物が入った様な物も、よく見かけます。

 

1基(1つ)または一対(同じものを2基)で注文します。連名で人数が多い時は一対が良いです。

 

大体はこんな感じです。地域によって形や花の内容等は変わりますが、基本は菊を多く使います。

 

お葬式の花はいつ届けるの?

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訃報を聞いて、すぐに花の注文をするのは良いのですが、お通夜に合わせるか葬儀に合わせるか、迷いますよね。

 

一般的には親族、親戚ならお通夜から、それ以外は葬式に合わせて葬儀場に送る事が多いです。

 

但し、お通夜も葬式も葬儀場、または両方とも自宅なら親族以外の花も有っても良いです。お通夜が自宅で、葬式は葬儀場というパターンは顔を出すくらいで良いと思います。

 

葬儀のスタンドって場所を取りますし、御自宅でのお通夜は座布団とか沢山敷きますからね。

 

もちろん、間柄によりますけどね。1番良いのは担当の葬儀屋さんに聞く事です。周りの動きに合わせるのが正解です。

 

生花、乾物はお断りされる事も最近は増えて来ましたから。

 

そうそう、基本は花屋が運びます。届け先の近くの花屋か、葬儀屋さんに注文するだけです。

 

故人との関係から見る、最適な花の選択は?

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花の内容は花屋に任せましょう。お葬式の花は横並びに並べますから、目立つ事は良くないです。

 

友人や知人、会社関係等であればスタンド花、親族ならスタンドか枕花になります。

 

私の地域では、故人の孫や子に当たる人が枕花、他はスタンドというパターンが多いです。特別に親しかった人は枕花でも良いですが。

 

結局、枕花は枕元に飾る花。ある意味で1番近い所、近い高さに飾る事になりますから。

 

逆に親族以外が贈るのは、それなりの理由があれば良いと思いますが、特に無いのであれば、枕花を選ぶ必要はありません。

 

連名について

有志一同や社員一同、〇〇会とか、名札に連名を書いて花を贈ることもよくあります。孫一同とかもありますね。

 

個人的に贈るか、連名で贈るべきか。これは決まりがあるわけでは無いんです。

 

ただ、あまりに人数が多い団体は連名ではなく団体名が良いです。故人に対して、自分が個人的な間柄だったか、それとも同じ団体の中にいての付き合いだったかでも変わりますね。

 

正解は無いです。

 

連名の名札の並び順も、年功序列または役職順で良いでしょう。

 

6名以上の連名なら、一対で2つ注文した方が名札の字が小さくならなくて良いかと思います。

 

注文の仕方と相場

葬儀屋さんか花屋に電話すればオッケーです。その際、名札の内容を必ず聞かれるので、そこだけは決めてから電話します。

 

金額は最も標準的が15000円くらいです。特別な縁があったり、恩がある方へという事であれば、20000円でも良いです。

 

10000円は目立たない様に、周りの人の花を目立たせたい時に使います。または、まだ未成年とか、やや縁の遠い方の時。

 

正直、10000円は使い所が難しいです。

ここだけは絶対気を付けたいポイント

気を付けたい事は、

 

  1. 贈り先に誰かわかる名札
  2. 漢字の間違い
  3. 宗教的な決まり事

 

です。上の2つはそのままです。特に、1番の贈り先に誰かわかる名札というのは、故人とその親族まで面識があるかどうかも関わって来ます。

 

「葬儀に行けないけど、花だけでも贈ろう。」なんて時に、名札だけでは何処の誰かわからずに親族の方が困る事もあります。

 

例えば会社での付き合いであれば社名を入れるなど、気を配りたい所です。

 

で、3つめの宗教的な事。これは、キリスト教なら百合を入れたり白で統一したり、他にも宗教によっては花の木という木だけで作ったりと、宗教ごとに色々決まりがあったりします。

 

訃報を聞いた際にその辺の宗派とか宗教が確認出来れば良いです。また、不安な場合は、やはり担当の葬儀屋さんに確認します。

 

キリスト教でも菊とか使って派手な色で問題無い事もありますからね。何も言わなければ、自分の花だけ浮いてしまう事もあるんですよ。

 

いやー。本当に、あったんですね。私の納品した花だけ派手だった事。それ以来、分かる範囲で聞いたり、こちらから調べてみたりしています。

 

まとめ

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色々書きましたけど、結局は周りに合わせるのが正解です。自分の花だけ小さかったり、逆に目立ち過ぎたり。

 

内容も含めて、周りと調和して、美しく飾ってある様にしましょう。

 

贈るタイミングも、わからなければ花屋もしくは葬儀屋さんに聞いた方が早いです。分からずに、とにかく直ぐにでも届けて欲しいの一点張りで注文すると、思わぬ事になりかねません。

 

あと、葬儀場に行ったら自分の花だけ無い!といって慌てて注文される方もおられます。まずは共通の知人と連絡を取り合って、そこから話を進めると良いと思います。

 

フローリストの いろはでした。