はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

花屋を辞める人達が口にする事。

花屋を退職した人達

春は別れの季節でもあります。桜も満開を迎え、後は静かに散り行くこの季節、今回は志半ばフローリストの道を諦めていった、私の有志達の話です。あ、写真は梅です。

 

どんな仕事であっても、それを続ける事、辞める事は常に自由である。というのが私の考えなので、決して辞めた人達を責めるわけではありません。

 

なんなら、『今までありがとう』そう思えるような素敵な仲間ばかりでした。

 

ただ、辞めるという事は、やはりそこには【原因】があるわけです。

まあ、言ってしまえばこれが嫌で辞めた。これが原因で辞めた。といった様々な理由があるんですよね。

 

今までフローリストとして務めてきた職場で本当にたくさんの仲間と別れを経験してきましたが、数で言うと30~40人くらいでしょうか。花屋という規模の中では結構な数だと思うのですが、実は辞めていく理由って、ほとんど一緒。

 

知ってどうなるわけでも無いですが、花屋の仕事の大変な所というのがちょっと見て見たいという方は、気楽な気持ちで読んでくださいませ♪

 

花屋を辞めた理由

花屋を辞めていく人達から聞いてきた理由をまとめてみます。

①『労働環境が過酷』

やはり一番多く聞くのはこれでしょう。『残業が多い、それでいて給料が少ない。』これが圧倒的ですね。

 

全国平均的な金額はわかりませんが、多分給料はどこも少ないはず。私は割と条件の良い所にいたはずなので。

 

働く時間と給料=仕事量と給料 ですが、見合ってないんですよね。もちろん、経営者がケチなわけでも無いです。ただ、鮮度が命の商品を扱う宿命でしょうか。どうしても捨てる花が出ちゃいます。

 

時間と共に価値が落ちていく商品を仕入れてお客さんを待つという販売方法は、やはりロス、廃棄する事が多くなってしまいますからね。利益が少ないんですよ。

 

朝早くから花の手入れや掃除、仕入れ。遅くまで商品の製作。加えて、配達業務なんかも。これで給料が少なければ、辞める人は辞めますよね。

 

仕事が嫌になって辞めた人が多いパターンですね。意外と、同業種の花屋へ行く事も多いです。

 

②『体を壊した』

どっちかっていうと、女性の方が多いです。寒いですし、重たい荷物運びも多いですからね。体調を崩し続けたりして。

 

花の重さってそんなに大したことなくて、実際は水の重さがネックだったりするんですけどね。

寒さも、外との出入りによる温度差がしんどかったり。まあ、寒いですけどね。

 

男性であっても、忙しすぎて体を壊した人もいますね。メンタル的に疲れちゃったり。仕方ないんですよね。繁忙期がある仕事ですし。

 

出来る事なら改善してあげたい、というか、改善するべき課題なんですけどね。

 

続けたくても続けれない。こう言って辞めていく人が多い事。これが悲しいんですよね。花屋ではもう働かないって言う人も多いです。

 

③独立する、または転職する

美容師さんでも多いですよね。自分で独立してやるパターン。やりたいことが明確で、それなりの知識や人脈を築いて独立。

 

ただ、花の仕事って地域との関わりが強いです。行事とか、客層とか、感性なんかも。同じ地域で独立したら、結局仕事内容も給料も変わらないって言う人も居ます。

 

それでも、自分のお店で働くのはきっと幸せな事だと思います。

 

または、私の様なパターン。もっと条件や仕事内容に魅力を感じられる所からのお声掛け。これは時の運や人脈も有りますね。私の場合は、実力というより、人脈。知人を介して頂いた話でした。

 

④結婚する

①と同じような感じで。女性は結婚したら早朝から夜までは厳しいなあって感じですね。とはいえ、男性も家庭の時間を大事にしたい人が増えてますからね。

 

大体がこんな感じです。ありきたりな事ばかりですけどね。あとは普通の会社と一緒で、人間関係のこじれとか、会社の方針に合わないとか。どこにでもあるような理由でしょうか。

 

花屋を続ける理由

花屋は大変です。そんな状況でも仕事を続ける人が居る、これも事実。では、なぜそこまでして花の仕事を続けるのでしょうか。

 

これは一番多い理由が『花が好き』。説明不要ですよね。

 

ただ、これも色々パターンがあって、花がひたすら好きな人も居れば、『花を使った仕事が好き』な人も居ます。

 

私は花の仕事が好きなんですよね。特に、誰かの為に作ったりする仕事が好きです。

 

花を贈る時には必ず【贈る理由】が存在します。そして、それは人から人へ贈られるという性質上、その人達にしかないドラマがあると思うんですよね。

 

その中に登場する花。目に見えない【気持ち】というものを【形】にしたのが、贈る花だと思うんです。

 

同じような注文を聞く事が有っても、まったく同じ条件で、同じシチュエーションで花を贈るというのは非常に稀な事です。

 

毎日毎日、色んな人が色んなリクエストをくれて、楽しいんです。

結婚式の花もそうですね。同じような花は有っても、どこか衣装や会場の雰囲気で毎回違います。花嫁さんは毎回違いますから、同じブーケでも全然違って見えたり。

 

一言で言えば、飽きないんですよね。

 

これが、多分、何の理由もなく、お手本見ながらひたすら大量生産だけするような仕事だったら、転職するかもしれません。ひたすら花が好きな人は、それでも幸せかもしれません。色々ですよね。

 

 

おわりに

とかいって、女性は、実は結婚して子供が大きくなったら再就職するパターンが多いのも事実。技術職だけど、作る作業自体はそんなに難しくないですからね。

 

やたらと出来るパートさんが来たと思ったら、私の上司の、かつての上司だった。って事が有りました(笑)

 

花屋のスキルは一度基本をしっかり覚えれば、ずっと使える技術だったりします。花屋で働いた事があるという経歴は、花業界の中ではかなり重宝されると思うので、働き口に困る事は少ないかもしれませんね。

 

『仕事内容は好きなんだけどね』そう言って辞めていく人が多い業種です。基本、花屋で働く社員は労働条件以上に、仕事に魅力を感じていると思ってもらえると幸いです。

 

長文、しつれいしました。読んで頂きありがとうございました♪