百合(ユリ)の花粉について
フローリストのいろはです!
百合の花って知っていますか?とても優雅で、大きくて、良い香りのする高貴な花ですね。お値段もなかなかのもので、ワンランク上の花といったところでしょうか。贈り物としても好まれますし、香りが好きで、御自宅や会社に飾る方もおられます。
日持ちも大変よく、また、大抵は3輪以上花が付いていて、順番に咲いていきます。最初に咲いている花が散っても次々とほぼ全ての蕾が満開まできれいに咲いてくれることから、一度買えば長く楽しめる花として知られています。
良いこと尽くしのようですが、しかしこの百合の花には唯一の難点があるんです。それが今回紹介する百合の花粉です。写真の通り、赤っぽい色をしています。そして見てわかる通り、ちょっと粉っぽくなってますよね。
これは、時間の経過と共に段々と全体が粉っぽくなってきて、最後は全体が粉っぽくなります。そうなる前に取ってやる必要があります。
百合の花粉のここが危険
別に毒とかでは無いのですが、衣類等についたら まず取れません。白い服は終了します。また、手についてもしばらく取れません。その手で何かを触ると色が移る事があります。デートの前に付いたら手を繋げませんし、見た目も悪いです。
私はこれまで数えきれない位の洋服を犠牲にしました。これ以上被害を増やさないために警鐘を鳴らすことにしたのです。
そして、せっかくのきれいな百合の花びらも粉が付いてしまいます。
特に白い百合なんかは雰囲気が変わってしまうので、粉が付く前に速やかに取ってやる必要があります。
どうすればいいの?
答えは簡単。粉っぽくなる前に取ればいいんです。最初は粉っぽくないので、早めに取るのがコツです。
この状態なら、手を汚さず花粉を取ってやる事が出来ます。
しかし・・・。この時に既に粉っぽくなっている事もあります。なんなら、蕾が開き始めた時から既に粉っぽい事も。
百合の蕾というのは鳥のくちばしのようになっていて、徐々にそれが開いてきます。これは温度によって速度が変わります。暖かい部屋では開花が早いです。
こんな感じでちょっとずつ開いていくんですね。
ピンセットで取ろう
一番良いのは口が開いてからピンセットで早めにとる事です。注意点としては
- 花びらを傷つけない
- 6つ、確実に取る
- 無理矢理こじ開けない
といった事です。ついつい無理やり取ろうとして傷つけてしまっては、せっかくの花が台無しです、傷は茶色い筋となって、ずっと残ってしまいます。
花の外側を手で軽く触れた程度ではそうそう傷にはなりませんが、ピンセットの先端は要注意です。また、花の内側に関してはなるべく触れないようにしましょう。外側よりデリケートです。
そして、花粉は6つ付いています。一個でも取り逃すと、後から粉まみれの花粉が出てきてがっかりします。
いつ花粉を取るかは自由ですが、私だったら、この位の咲き加減で取ってしまいます。
きれいに取れました。くれぐれも無理はしない様に。また、既に粉が付き始めている場合もあるので、ティッシュか何かを用意して、取った花粉はその上に出すようにすると良いと思います。ちなみに仕事として、
このくらいでも取っちゃうことがあります。
やはり商品価値に大きく関わる事なので、多少無理をしてでもきれいな状態にしないといけません。どのみち次が咲けば、それはお客さん自身で取ってもらう事になりますけどね。
毎日の中で常に気に掛けておく必要はありませんが、時々様子を見ながら、手入れをしてやってください。
花粉を敢えて取らない
これは主に活け花の世界で、【自然のままに】という考え方があります。花粉があるのは当たり前で、花の成長、開花と共に花粉も成長していくという生命の在り方を表現する場合は、敢えて花粉を取りません。
もし旅館や家の床の間に花粉の付いた百合が飾って有っても、それはそういう考えの元i活けられた花です。
花粉がある花
花粉のある花は百合以外にもたくさんあります。アマリリス、アルストロメリア、トルコキキョウ、リューココリーネなど、聞いたことないような花の名前も多いかと思いますが、花屋さんに良く流通している花です。
全て花粉を取った方が良いという訳ではありませんが、大抵は黄色っぽい粉が出て来ます。取れるものは取った方が無難と言えるでしょう。トルコキキョウは取らなくていいかな。
百合もオリエンタル百合、鉄砲百合、透かし百合、カサブランカ、姫百合・・・など沢山の種類がありますが、百合と名前が付くものは、取れそうなら取った方が良いです。黄色や赤の花粉が付いています。
おわりに
くれぐれも無理はしない様に。しかし、なるべくなら粉が出る前にきれいに花粉を取って素敵に飾ってやってください。百合は海外では【リリー】と呼ばれています。素敵な響きですよね。
いろはでした♪